~名案~
「お前さぁ、このあたしが呼んだらすぐ返事してこっち来いよ!呼んでやってんだよ、ゴミの分際のお前を!わかる?」
「は、はいっ!女王様!!も、申し訳ございませんでした」
丁度、掌にシャンプーをのせ、頭を洗い始めた陽子は、
恐々と風呂場のドアを開け、惨めな四つ這い姿勢で陽子の足元に委縮している修の頭を思い入り踏みつけた。
「お前と一緒に風呂になんか入りたくないんだよ、ほんとは!」
まるで粗大ごみか生ごみでも眺めるかの蔑みの目で陽子は修に冷酷な言葉を下す。
「お前は何?」
「よ、陽子女王様の、、奴隷、い、いえ、便器以下の所有物でございます!」
修の怯えた背中へ、もう一方の足をドンっと乗せる陽子。
「ふんっ、そのお前を今ここで呼んだってことは?」
肩より少し長めのにウェーブをかけた髪に、フルーツ系の香りのするシャンプーを絡ませながら、面倒そうに修に問う陽子。
(なんでお前にわざわざこんな質問をしなきゃならないの?)とう意が明らかでわかりやすい。
「はい、ご帰宅されてからまだおトイレへ行かれておりませんので、便器のご用命かと…」
有りっ丈の可能性の中で、今この時間、この成り行き、このタイミングで自分が呼ばれる意図とは?を、修は猛スピードで考え、その答えを陽子に返す。
「ふ~ん。便器ちゃん。わかってるんだったらさっさと準備して用を済ませたら出てって頂戴ね。変態!!」
ここで陽子が使う“便器ちゃん”とは、決して修に対する“いい子いい子”などではない。
要はあきれてるの意にあたるわけで、“馬鹿にしきってる”使い分けだ。
それを修はわかっている。
今更、自分に人間様のSMプレイのようなお遊びはして頂ける筈などない…と。
悲しいかな、これが自身が望んだ現実であり、後には戻れぬ寝取られマゾの天国と地獄なのである。
「か、かしこまりました女王様っ!便器のご用命、誠にありがとうござます!」
泡立ち香り豊かな黒髪を少し熱めのシャワーで洗い流し始めた陽子の足元で、
ツルツルと情けなく滑りながら仰向けに姿勢を変える修。
「キャハ八っ!あほ!ばか!ほんっとに情けない亭主だなっ!あぁマジでなんで公一さんと結婚しなかったんだろ、あたし。。公一さんとならきっと幸せな結婚生活が送れたわ。ねぇ、お前もそう思うでしょ?」
「は・・はい、公一様は私なんかよりずっと男らしく素晴らしい人間ですので…」
成るべく陽子の座る浴用椅子の即真下へ頭をずらし、修は陽子の問いに答えるのだが、
そのあまりにも辛く惨めな陽子の問いに、図らずも返答を躊躇った自身の“男心”がチラつく返答は、
見事に陽子の機嫌に障った。
「はぁ?お前今何て言った?」
濃厚で濃密なセックスをたっぷりと堪能してきた余韻で、眠たさをしょっ引いても多少なりとも上機嫌にカテゴライズされていた陽子の気分が、この瞬間に一変した。
「クソ生意気言ってんじゃねぇよ!ゴミ!お前は男でも人間でもないだろうがよっ!公一さんとお前を、いつあたしが男として比較した?ふざけんじゃねぇーぞ!!」
仰向けに準備する修の腹へ、陽子は思い切り踵落としを食らわせた。
「うげぇーーーーっ、ごほっ、もう・・しわけ・ございませんでした・・・」
本気で吐きそうになりながら嗚咽する修は涙ぐみながら許しを乞う。
「有り得ない!あーーーむかついた。何なのお前?もしかしてまだ旦那のつもり?」
修に対する苛立ちを抑えることは到底不可能となった陽子の視線は、修にとって興奮レベルを過ぎてしまい、
本当に自分が発してしまった言葉の罪に懺悔の念で租チンもナノレベルだ。
「女王様、本当にお許しくださいませ。私が公一様に少しでも嫉妬してしまったのは図星でございます。」
「ふんっ、やっぱりそうか…ほんとウザいな、あんた、、、死ね!」
嘆きと落胆に陥った修はこの修復困難な状況に、今夜はもう便器としてのお役目はないと覚悟し言った。
「陽子女王様のご機嫌を損ねてしまい本当に申し訳ございませんでした。お許し頂けるのでしたらどのような罰もお受け致します!」
急いで姿勢を変えた修は、これ以上ないくらいの丸まり方で土下座をし、浴室の床が凹む位に前頭部を押し付ける。
「あっそ、何でもするのね?」
「はいっ!女王様」
「わかったわ。じゃ、シャワーから出たらお前に罰を与えてやるわ。ふふふ、楽しみにしてなさいよ~、いいね?」
どうやら陽子はここぞとばかりの名案を思い付いたようで、
さっきまでの形相とは真逆の小悪魔的な笑みで修を嘲笑った。
そして、土下座をする修の頭の上に仁王立ちをする。
「今日はおしっこなんてくれてやんないわよ!!いいわね?」
「はい、承知致しております!本当に申し訳ございませんでした、女王様」
震えながら答える修を見下ろす陽子は、歯ブラシに歯磨き粉を乗せ、口に含みながら腰に手をあてた。
換気扇の回る浴室は、湯気が篭るまでには至らないが、目に見えぬ異様な蒸気的妖艶な空気は、
陽子の淫靡と魅力、そして暴虐さと冷徹さがオーラとして漂うからであろうか。
ジョボボボボボボ~~、ジャーーーー
それは何の前触れもなく、そしてさもその足元には何も存在しないかの如くの排尿だった。
鼻歌で歯を磨く陽子は、おそらく相当溜まってたであろう尿意を一括して処理をし始めたのである。
「うぐぅぅぅ、、ごほっ、、嗚呼、ありがとございます、女王様」
身長170㎝、元陸上選手であった陽子の長い脚のお蔭で、落差の増した“聖水”は修の頭髪を一気に乱すほどの勢いで小便滝と化した。
その落差にも拘わらず暖かい陽子の尿をびしゃびしゃと浴びる修は、心の底からの礼を述べるのだった。
「嗚呼、陽子様のご聖水をお恵み下さいまして、誠にありがとうございます!とっても嬉しゅうございます」
アンモニア臭に包まれながら、その感謝の意を出来る限りの気持ちを込めて陽子に申し上げる修だが、
ここでの陽子の行動は、聖水拝受などではなく、単なる排尿であり床には“何もない”のだ。
つまり、修の感謝の言葉などに一切触れることもなく、淡々と歯磨きを終え、
ぶくぶくガラガラとうがいをし始める普通の行為な訳である。
今日の公一とのデートの為に、念入りにバッフィングをした爪先を、自身の小便にまみれて恍惚と謝礼を述べる修の顎へあて、
クイッとゴミ亭主の面を上へ引き寄せる。
「ぐちゅぐちゅぐちゅ、ガラガラガラガラ、カァーーーーーー、ペッ!!」
単なる洗面台か便器へ吐き出すように、無機質で機械的な行為は、
大きく口を開けそのお零れを拝受する修の愛が故の歓喜的な感情とは180度異なる普遍的な行動パーターンの一つにすぎない。
一連の全てを終え、淡々と浴室から出てゆく陽子の可憐な下半身を目で惜しみ追い、
修は世界一高貴と自負している女神の聖水でずぶ濡れの頭と顔に手をやり胸部や租チンに擦り付ける。
このままここで朝まで過ごしたい…
そんな心境ではあったが、陽子からの罰というご慈悲がこの後に控えている事を思い出し、
名残惜しそうに尿臭に満たされた体にシャワーをかけた。
続く。。。
- 関連記事
-