AVを作る! 自分好みの女優でAVを作る!! 今日からは貴方がAV監督!!!~滑落~
「うんうんっ、さっきまでお風呂にゴミ亭主といてさぁ~、せっかく公一さんといっぱい愛し合った余韻に浸っていたかったのに最悪!!」
「あぁ~。もう公一さんに逢いたい!一緒に寝たいなぁ」
「うん!あたしもだぁ~いすき!もっといっぱい公一さんの愛を頂戴ネ」
愛する妻に蔑まされ、無機質な排尿による便器の努めを名残惜しみ、
一切のアンモニア臭もボディソープに消された体を拭う修は、
寝室の方から漂う陽子の話し声に耳を傾けた。
どうやら彼氏の公一と電話をしているようだ。
基本的に、妻からの呼び立てがない限り、使用人であり所有物の修は、
陽子の寝室へは勿論、リビングへも入れない。
玄関脇の陽の当たらない北向きの部屋が、一応修に与えられている部屋ではあるが、
この部屋は陽子の私物の物置として、もはや納戸といってもいい空間だ。
そこで修は限られた床のスペースに布団を不十分に敷き、寝起きをしている。
その部屋の真向かいがトイレにあたる。
これは陽子が夜中にトイレへ来た際に、いつご用命頂いても即対応が出来る為の利便性も兼ねている。
トイレのすぐ隣にある浴槽から、冷房の効いたリビングを羨みながら、
扉で遮られたサウナのような廊下から“納戸”へ戻ろうとする修の足音を聞いた陽子が大声を出す。
「お~い!ゴミ!!!こっち来い!」
「はっ、はい!!女王様っ!」
修は陽子に呼ばれた嬉しさと、冷房の効いた部屋へ行ける救済的な神の声に、罰を与えられる筈の台本などどこ吹く風の能天気さでリビングの扉を開ける。
「失礼します、陽子様」
四つん這いでリビングへ入り、すぐ隣の寝室で妖艶な裸体のボディケアをしながらスマホを耳に押し当てる妻の元へ這ってゆく。
「きゃははあっ!だって~公一さんのアソコ、すっごく大きくて長くて喉にすぐあたっちゃうんだもん、イジワル!」
今日のセックスの事で盛り上がっているであろう露骨な会話を露わにし、
陽子は顎で修にパンティを穿かせなさい!と指示を出した。
「うんっ、公一さんのザーメン、すっごく美味しかったでしゅ。。顔にもかけてくれてありがと♡」
よたよたと黒のレース模様のTバックを全く自ら尻を持ち上げようともしない陽子の太腿で苦戦する。
その哀れな旦那の頭上で、恋人同士の濃厚なラブトークを繰り広げる妻であるはずの陽子。
「ねね、今ね、、ゴミ亭主があたしのパンティ履かせようと馬鹿みたいにここでもがいてるんだけど、公一さんなんか言ってやってくれる?」
修はドキっ!とした。
それもそのはず、修はまだ公一と対面した事もなければ話を交わした事すらないのだ。
陽子の言ってる事は本気なのか、冗談なのか、、、近頃は悲しいかなそれを高確率で読み取るまでに至ってしまっている自分を、ここでは非常に嘆き悔やんだ。
陽子は本気だ…
「よう!馬鹿旦那ちゃん!!元気?はははっ!」
野太くワイルドな声を電話越しに発する公一は、半笑いで小馬鹿に仕切った成りそのものだ。
「は、はじめまして、、、修です」
修は突然の成り行きに何を喋っていいものかもわからずに、挨拶をする。
「あのさー。俺は別にお前に用はねぇんだけどさ、さっき陽子から聞いたけどお前、風呂場でやらかしたんだって?」
既に事の一連を公一に伝えられてる事に、改めて自分の立場を思い知らされた。
「はい、罰をお受けする所存です。。。」
誰に言われたわけでもなく、ごくごく自然に修は九つも年下の男、しかも愛する妻の浮気相手へ最大限の敬語で対話をし始めた。
「ぶはっ!!所存でゴザイマス・・ってかっ!マジでウケるなあんた!」
四苦八苦、そしてしどろもどろの電話の最中にも修は必至で陽子のパンティを穿かせていた。
そのTバックをようやく穿かせ終え、女神の足元で平伏しながら電話越しの公一へも深く頭をさげた。
そこに居るわけでもない同姓に、しかも、ずっと年下で陽子を寝取った相手に、
修は電話越しに最大限の敬意を表すのだった。
それを見下ろす陽子は、満更でないほくそ笑みを浮かべ、ゴミ亭主の頭をぐいぐいと踏みつける。
「あのさー、陽子から頼まれちゃったんよ、あんたの罰!」
「え?」
一瞬、修は公一が何を言っているのかよくわからなかった…
だが、直ぐに陽子を見上げるとその笑みの中に、
「そういう事。」
という全ての紐解きのヒントが表現されており、否応なしにこの経緯を数秒で受け入れるのには容易かった。
「だからよっ!お前が風呂場で陽子を怒らせた罰は、俺が与えてやるっつってんだよ!カス亭主がっ!わかったかっ!?」
「嗚呼、はいぃ、か、かしこまりました公一様っ!」
無意識に公一に様を付けて返事をする自身の情けなさに、諦めと情けなさの人間的感情はエピローグさながらだ。
「きゃはははっ、便器ちゃんっ!よかったわね~~~公一さん、あんたの事かまってくれるって?」
「は、はい、、」
電話の相手も、頭上の相手も、今や自分を年上の男、いや人間とすらみてくれてない事の現状に、
根っからのマゾである被虐願望も手伝って、この状況下でも粗末なモノを反らせ始めている。
「よしっ!なら俺がお前に罰をくれてやっからなっ!覚悟はいいんだな?」
意気揚々とドSっぷりの本領を発揮する公一が、電話越しの他人の旦那へ言い放つ。
「公一様、罰をよろしくお願い申し上げます!」
覚悟と期待を心にタイピングした修のマゾスペックは紛れもなくまたアップグレードしているのだった。
「あ~ら、なんて情けない顔しちゃってるの?べ~ん~き~ちゃん!」
15分から20分程度の電話が、修にはとてつもなく長い時間に感じられたのは、
つい今しがた下された公一からの罰と命令の内容を処理するのに、
理性や道徳を全て払拭しなければならないほど厄介であり惨めなものだったからか。
陽子がデートから帰って来ての数時間、
窓の外では真夏の太陽が既に燦々と照りつけ、じりじりとした光が遮光カーテンから容赦なく修の情けない顔を突き刺している。
「さっ、さっき公一さんからもらった罰、そんでプラスされた命令を私に聞かせて頂戴!便器!」
「は、はい、、陽子女王様」
設定室温になかなか満たないクーラーの音が響くリビングの中央で、
修は小さく土下座をし、女神の美貌と妖艶な身体を見上げながら答え始めた。
「まず、、、罰としてこれからはご主人様に射精管理をして頂く事になりました。」
“ご主人様”と公一の事をそう呼ぶ亭主に、陽子は随分と大げさな小悪魔視線を送りながら笑った。
「きゃははははっ!!!ご主人様だって~、いいわね~~~お前、奴隷にでもされたの?あはははっ!」
「はい、これからは公一様をご主人様と呼べと言われました。そして、一切の権限がご主人様にあると」
公一と交わした電話上での契約事を、再度確かめるように修は妻の横に告げてゆく。
「次のデートの時は、パシリと運転手にご用命頂けるそうで、その時まで絶対に射精は禁止と。それが今日の罰の始まりだそうです。」
「はじまり?」
陽子は間髪入れずにそのキーワードに反応した。
「はい、本当の罰はその当日にして頂けるそうです。その内容はお話頂けませんでした。」
「ふ~~ん、それで?あとは?」
好奇心の塊の視線と、冷ややかな言葉で修に問い続ける陽子。
「今後、陽子様はご主人様の彼女でありセックス奴隷で、私はご主人様と陽子様の便器、使用人、
パシリとして、『俺らの為に全てを捧げ、自分の人生など無いと思え!』と言われました。」
「仰って頂きました!だろーが!ゴミ!!!
ドスンっ!
陽子は些細な修の不躾をも瞬時に見逃す事無く思い切り腹を蹴りつける。
うぐぐぐぅぅぅぅぅ、、、
もがき苦しむ修の頭を、さらにグイグイと擦り付け嘲笑う。
「次のデートは多分2週間後よね?あんたそれま射精禁止なんだ?あははははっ!!!最高!よかったわね~」
「はいぃ、じょ、女王様、、、嬉しゅうございます」
無意識に感謝を述べるマゾ的不条理に、修の脳内はボロボロと公一と陽子に侵されてゆくのだった。
これから一体、自分はどうなってしまうんだろう…そんな愚問を抱いたところで、
ポジティブな打開路への扉が開かれる訳ではないことは、
本人が一番噛みしめている事。
途方もない変態マゾ道の下り坂で転がり始めたこの事実を、修は強く、切なく脳内へ叩き込む真夏の朝だった。
続く。。。
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